赤い太陽 その1

コラム

先日ワグナーのオペラ “トリスタンとイゾルデ”を新国立劇場で見ました。4回目のトリスタンとイゾルデですが、前回の鑑賞も新国立劇場で、その時が新演出で今回が再演でした。再演のはずですが舞台演出の記憶のないところもあり、こんな演出だったかな思いながら終わりました。調べると前回は2013年で実に10年以上前の話、それにしてもこんなに記憶に残らないものかと!年のせいか?などと思ったしだいです。オペラは演奏と歌手の出来もさることながら、演出も重要な要素です。日本人はおとなしい?ので拍手で終わりますが、海外では出来が悪ければブーイングの嵐です。今回出来は評論家にお任せしましょう!

このトリスタンとイゾルデは、多くの演出は闇が支配する世界で語られます。その理由はトリスタンとイゾルデの物語にあり、興味のあるかたは調べてみてください。

舞台はほぼ赤い月のもとで進みます。これは月に限った話ではなく、太陽も同じで、皆さんご存じのように太陽光も月光も、大気中の粒子で散乱されるためです。でも、月も太陽も昇れば白輝きます。輝度の違や月月表面での吸収が多少あるものの、そのスペクトルはほぼ太陽光と同じです。

月の照度は0.5~1ルクスくらいで太陽光の10万ルクスに比べられないくらい暗いのです。月明りで読書という話を聞いたことがありますが、読書には300ルクスくらいの光は必要いわれていますのでかなり難しそうです。

ただ経験から満月の光の下で、山道を歩くことはできました。なぜ!と追及しないでください。

月の光は太陽光の反射光です。月面での多少の吸収はあるものの、地球に届く太陽光と月光のスペクトルは大きな違いはないようです( Fig1)。澄み切った夜空の満月の光で照らされた物の色はほぼ同じに見えるでしょう。このトリスタンとイゾルデの演出が赤い月でなく赤い太陽であるとしたらどうでしょう。果てしない宇宙には赤い太陽が存在し、赤色巨星と呼ばれます。

代表はさそり座のアンタレスです。おそらく一度は耳にしたことがある名前ではないでしょうか。現在白く燦燦と輝く太陽も50億年後には、赤色矮星になると推測されています。アンタレスは太陽の未来の姿です。

太陽が赤色矮星になるころには膨張し、地球は飲み込まれているかもしれないとも言われています。

もろもろのことには目をつむり、今の太陽が赤色矮星だったら今我々の目にしている世界はどう見えるのかと思ってしまいす。さて、今の時代闇夜に浮かぶ満月はかなわないのですが、街明かりがあることを重々承知で満月の元、いくつか調べてみたいとおもいましたが、満月前後の天候が思わしくなく調べられませんでした。これから梅雨に向かっていくので、次の満月に好条件が期待できるか疑問ですが、この続きは次回に。

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