世界は屈折だけではない

コラム

前回虹に触れましたが、その直後にエリザベス女王がなくなりました。なくなられる直前に虹が出たそうです。しかもその画像を見るとダブルレインボーです。女王がお別れにイギリス国民の幸福を願ったのでしょうか。

虹は屈折と書きましたが、それ以外にも蜃気楼も屈折、陽炎も屈折。屈折という現象がいろいろな風情
を作り出してくれます。
光を分けるのは屈折だけではありません。もう一つの現象として、光の干渉があります。
ご存じの通り光は波です。二つの波が重なるとき、山と山であれば強め合い山と谷であれば打ち消しうという原理です。この原理を使って光を分けるのが回折格子です。隣り合う筋に入った光が反射され、山と山であれば強められ山と谷であれば打ち消されてしまいます。これによって光が分光されます。プリズムでは屈折率に波長依存性があるため分散が一定ではないのに対し、回折格子は一定です。
さて身近なところにある干渉光は何でしょうか。昨今音楽を CD で映像を DVD でという時代ではなくなり、身近でなくなってきているかもしれませんが、CD、DVD の表面の虹模様です。これは、光の屈折ではなく光の干渉です。CD のトラック幅は 1.6μm です。600 本/mm の回折格子に相当します。DVD も同じで、CD の約半分 0.78μm です。これが回折格子の筋の役目を果たします。
最近ほとんどお目にかからないのですが、玉虫の虹色に見えるのも光の干渉による効果。

残念ながらお目にかかったことはないのですが、ニジゴミムシダマシやアカガネサルハムシ。オセアニアにはニジクワガタがいるらしい。一度はお目にかかりたいものです。

ニジイロクワガタ
ニジゴミタマムシ

そのほか、シャボン玉、油膜等々、、、シャボン玉の厚みは1μm 程度です。
原理が屈折にせよ干渉にせよ、虹色をみると美しく幸せな気持ちになります。

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