コロナウイルス

コラム

コロナウィルスによりパンデミックが発生して、そろそろ3年になろうとしています。9月終わりにヨーロッパに行く機会がありました。すでに報道されているのでご存じの方も多いとは思いますが、ヨーロッパではほぼノーマスクで、コロナ禍以前に戻りつつあるなと実感しました。公共機関でマスクの着用を求められる程度です。郷に入れば郷に従え!マスクなし生活を始めましたが、ただ最初は感染しないかとビクビクしていました。海外で感染したら洒落になりません。

回数はどうであれ、国民の8割の方がワクチン接種をすませ、常にマスクを着用している日本ですが、ここにきて第八波に入ろうとしています。検査基準の違いもあるのでしょうが、日本は現在世界一の感染者数とかありがたくない記録です。ただ、過去三年のデータからわかるのは、これから波はやってくるということです。下の図は過去約三年の感染者数です(厚生省HPより)。感染者数は初年度より大幅に増えていますが、おおむね春、夏、冬に流行する傾向にあります。したがって冬に向け流行はやってくる。

実は私も数週間前に発熱し感染したかと思い、自宅にあった医療用抗原検査キットで検査した結果陰性でした。ただ、抗原キットはPCR検査よりも精度が落ちるとのことですので、念のため発熱外来を受診しPCR検査を受けました。結果は翌日午後に連絡が入り陰性でした。結果がでた日の朝は熱もなく、体調は特に問題ない状態に。しかし、陽性であった場合を考え部屋に自主隔離。なんと退屈&閉塞感。実際に感染した友達は、やはり数日で症状は改善したが、そのあとの部屋での隔離生活がつらかったと言ってました。

そこで思ったのが光学測定でもっと早く結果が出ないものか! 調べると光学測定による判定がありました。RamanやIRを使ったもの、とくにRamanを使ったものが多くみられ事例が報告されています。Raman分光の医学利用は、以前からガンの検出利用の報告が多くみられましたが、コロナウィルスの検出にも利用と応用範囲が広いなと感じます。検体は、唾液、血清での測定が報告されていますが、SERS=表面増強ラマン分光という信号増幅手法を用いて測定しています。その結果、アミノ酸や脂肪酸に関わる吸収が、感染者と非感染者で違いが出るようです。 

肺ガンのRaman Spectra
東京大学大学院理学系研究科教授の浜口宏夫氏ら

IRの場合には、唾液や血漿、または綿棒で採取した鼻咽頭のサンプルをATRに塗布し測定しています。あるいはRNA抽出物で測定した報告もありました。この報告ではPCR検査と同等の精度が得られるようです。いずれも検査機器ではないので、コロナウィルス検査にすぐに利用できるわけではありません。
精度がPCR同等で安く実用化されれば病院ですぐに結果がわかり、あの時間を過ごさなくて済むようになります。

Spectroscopic methods for COVID‐19 detection and early diagnosis( Alaa Bedair他)より

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