見えているのは何色か

コラム

暑い夏がやってきました。今年も例年より暑い夏予想。でも、毎年聞いているような。すでにこの暑さが例年の暑さと思っていたほうが、何とか乗り切れそうです。

人は右図にあるように、S,M,L 錐体で色を検知す 人の錐体の検知波長と RGB の違いると前回書いています。かつては RGB 錐体として
いたのですが、いまは SML 錐体となっています。RGB といえば光の三原色です。ここからとられたのですが、錐体の感度をみると L(R)の特性は、ほぼ M(G)に近いのです。赤(R)の波長領域は 620~750nm なので、だいぶずれています。下の図がカラーフィルターのスペクトルです。明らかにL錐体は赤の領域とはずれいています。L 錐体の
最大感度を示す 570nm は黄緑です。ゆえにRGB から LMS にかわりました。

LMS 錐体の感度と色の波長分布を比較してもわかるように、人の持つ光センサー=錐体で正しく色を検知しているわけではないと言ことになります。色から受ける錐体の刺激+複雑な神経回路により判断してるのでしょう。人は三つの錐体で、100 万色の色を識別できるともいわれています。

PC で色を作成する場合には、R,G,B それぞれ0~255 まで設定できるので、256x256x256=16777216。ここまでは識別不能です。ちなみに R=255,G=255,B=255 は白。
逆にすべて 0 の場合には黒です。

R,G,B の円が重なり合い、中心が白になっている図を見たことがあると思います。これを加算混色と言います。R,G,B のライトを重ねていくと、白くなります。では、絵具で R,G,B 混ぜたらどうなるか。結果は白くなるどころか、黒くなります。

これを減法混合といいます。この場合は、RGB ではなく、C(Cyan)M(Magenda)Y(Yellow)で行います。両者の関係は C=G+B,M=R+B,Y=R+G になります。

人の目ではある色を見ても、それを R,G,B に分解できません。でも、最近スマホのカメラとアプリは進化しています。R,G,B の数値がわかるアプリがあります。下図は”色彩ヘルパー”で読み取ったもの=”赤橙”色と PC で再現させたもの。スマホとアプリがあれば、簡単に再現できます。

この合成は近赤外のスペクトルと同じに思えます。近赤外スペクトルは、測定対象の成分に基づくスペクトルの合算になります。例えば穀物のスペクトルで 1940nm の吸収=?色は、主要な成分M=水分、S=デンプン、タンパク質=P とすると、M+S+P の混色になります。この混色を分解して教えてくれるアプリがあればよいのですが、そんなお手軽なものはありません。それを行うのがケモメトリックスです。残念ながらお手軽な方法はありません。そのうち生成 AI で作成できる時代が来るかもしれません?

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