パリオリンピック、パラリンピックが終わり2か月がたちました。コロナの影響で東京オリンピックパラリンピックが 一年延長されたためか、“あれ、もうオリンピック?”という感がありました。たった一年短いだけなのですが、ずいぶん間隔が短いと思いました。日本選手の頑張りが、結果として過去最高のメダル獲得数とのこと、 戦った選手の方々に改めて拍手を送りたいとおもいます ところでパリオリンピックパラリンピックで授与されたメダルですが、色がくすみ始めたとかいろいろな話が聞こえ てきました。そんなニュースあまり耳にしたことありません。パリオリンピックパラリンピックのメダルデザインはルイ ヴィトンなどがある LVMH グループが担当したらしいのですが、どんな作り方をしたのでしょうか。
オリンピックのメダルに関してちょっと調べると、なんとオリンピック憲章で規定されていました。オリンピック憲章 でそこまで規定しているとは!
2.2- メダルは、少なくとも直径 60 ミリ、厚さ 3 ミリでなければならない。1 位および 2 位のメダ ルは銀製で、少なくとも純度 1000 分の 925 であるものでなければならない。また、1 位のメダ ルは少なくとも 6 グラムの純金で金張り(またはメッキ)がほどこされていなければならない。
これからすると、金メダルの表面は純金なので、そんなに時を経ずしてくすんでしまったとは疑問です。 パリオリンピックパラリンピックの金メダルの重さは 529g なので、金メダルの金の使用量は約 1.1%。 選手の血のにじむ努力への対価には少々少ないような気がします。
日本語の色の表現は多様です。金銀銅の見た目については、金は黄金、銀は白銀、銅は赤銅といった 表現があります。この見た目は反射スペクトルをみれば一目瞭然です。金の反射は青の領域 400~ 500nm が低下→黄色、銅は青~黄色の領域 400~550nm が低下→赤になる。これに対し銀は可 視領域においてほぼ低下は見られません。そのため白く輝いて見えます。鏡の反射の材料に銀が使用さ れるのも納得です。今ある鏡の原型は 14 世紀イタリアで作られ、16 世紀にザビエルによって日本にもたらされたようです。
それ以前は、銅鏡などのように 金属を磨いたものでした。いくら反射率がよくても色を 正確には映し出すことは出来ないのは想像できます。 顔色が悪くてもわからない?お化粧してもわからない?
今ある鏡の出現は絶大です。
可視領域では黄金に輝く”金”ですが、金は赤外領域 ではフラットな反射をします。
近赤外分析では、液状の サンプルを測定する場合透過反射測定を行うことがあり ます。サンプルを透過した光を反射させて戻すのですが、 この時反射板に金メッキを施した反射板を使用すること があります。金は科学的に安定な材料で、反射材料とし て有効な材料です。この反射板はベースとなる金属に ニッケルなどのメッキ処理を行ったうえで金メッキを行います。厚みは1ミクロン以下です。
金メダルに使用されている金 の割合から比べればはるかに少ない量です。かりに反射板から金を回収しても微々たるものです。 とても金メダルには及びません。
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