2024年も早一か月がたちました。新年早々大きな地震が発生し大変な年明けとなりましたが、はや一か月がたちました。被災された方々にお見舞い申し上げます。
昨年末、知り合いから柿が届きました。開けると結構な数です。さて、どうしたものかと思っていると、説明書きとロープが入っていました。あぶない!あぶない!柿は渋柿でした。柿の実は皮を剥きぬるま湯で洗った後同梱されていたロープにつけ、日なたで2週間、日陰で2週間干してから食すと説明がありました。
なにも気にせず口に入れていたら、大変なことになっていました。試しにほんのちょっと口にしてみましたが、やはり無理でした。送られてきた柿の実は、頭にある渋柿?のような形ではなかったので警戒しませんでした。調べると渋柿の特有の形は特にないようです。かってに思い込んでいた形で判断すると、痛い目ならぬ渋い目にあうようです。
渋みを発生させるのは、柿に含まれるタンニンですが、柿に含まれるタンニンはカキタンニンといいます。
カキタンニンには可溶性と不溶性があり、渋柿は可溶性のカキタンニンが多く含まれるため渋みを感じます。そのまま食する甘柿にもこのカキタンニンが含まれますが、可溶性の含量が少ないので渋みをあまり感じることなく食することが出来ます。渋柿は干したりアルコールをつけることにより、この可溶性のカキタンニンがホルムアルデヒドと結合して不溶性となり、渋みを感じなくなり食することが出来るようになります。
先人たちは執念なのか渋柿へのうらみなのか、何とかして食べる知恵を編み出したのではなかと思います。あるいは、木になったまま放置された渋柿が、甘かったので気づいたのではないのでしょうか?
元来果実は種の生存のために実をつけ、成熟するとカロテノイドやアントシアニンが生成され赤や黄色に変化し、そろそろ食べごろとサインをだし動物にたべてもらい広範囲に種をまくための手段なのですが、動物は渋柿の渋みを感じないのだろうかと疑問に思ってしまいます。昨年はいろいろな場所にクマが出没し、柿を食べていたようですが、果たして甘柿だったのか渋柿だったのか。背に腹は代えられないので、渋柿も食べていたのだろうかと興味がつきません。渋みを感じるのであれば、渋柿は誰にもふりむかれず絶えてしまったのでは?と思ったりもします。
渋みの要因タンニンは緑茶や赤ワインなど多くの食品に含まれ、抗酸化効果がうたわれていますが、とりすぎると有害のようです。タンニンの語源は、“皮のなめし”に由来し、皮の腐敗防止に使われていたようです。確かに日本でも柿渋の液は防腐剤として使用されいます。甘柿といえども、カキタンニンは含まれています。ただ、可溶性タンニンが少ないというだけです。食べ過ぎは注意が必要かもしれなない。
渋柿は動物に振り向かれず絶えるのではといいましたが、先日ふと見ていた番組で柿の種を植えても同じ柿が生えてくるとは限らない!とありました。しかも出てくる柿は渋柿の確率が高い!とのことです。完全甘柿どうしで交配されない限り甘柿とならず、この完全甘柿の雄株は少なく自然交配すると渋柿となるとのことです。同じ種の柿を増やすには、接木をする必要があるとのことでした。柿は形と色だけで判断はできないのは納得です。
植物は実をつける以前に花を咲かせ、昆虫を引き付けて交配します。ここで花の色です。昆虫の視細胞は人が検知する領域より短い側にシフトしていて、波長では300~600nmです。すなわち紫外線を検知できます。はちみつは紫外吸収をもつので昆虫は花の蜜線を紫外領域で見て位置を知ることが出来ます。逆に赤い領域は検知できなので、 昆虫には赤い花は見えなようです。
ただアゲハチョウは紫外~赤まで検知できるので、アゲハチョウは赤い花からも蜜を得ることができるのではないでしょうか。花の色や果実の色は、昆虫や動物を引き付ける役目を果たしているのですが、色で寄ってくる昆虫や動物を選択しているかもしれなと思ってしまいます。ところで、虫取り機はこの性質を利用して、紫外線を発して虫を捕ります。柿は甘いと見せかけて、渋みを味あわせます(涙)
我が家の渋柿は、見た目は売り物とは程遠いのですがとても甘く仕上がりました。渋柿自体の糖度は20度くらいで甘柿より高く、干し柿になると50度にもなるらしい!甘いわけです!
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