花粉の季節到来です。今年は特に関西では昨年の10倍くらいとか?憂鬱な日々をお過ごしの人も多いかと思います。花粉症は鼻から入った花粉が粘膜に付着し、マスト細胞とくっつきヒスタミンなどを放出します。放出されらヒスタミンが鼻の神経や血管を刺激して、あの憂鬱な諸症状を発症します。

本来鼻は匂いを検知する器官です。鼻から 取り入れられた空気は鼻腔を通り肺に送られます。取り込んだ空気にある埃などを粘膜でからめとります。この時花粉があればアレルギー反応を発症します。匂いはこの鼻腔上部にある臭上皮で検知されます

普段感じている匂いは、匂い分子が鼻腔に取り込まれ、嗅上皮を覆っている嗅粘液に溶け込み、匂い分子が受容体の鍵穴にはまると受容体の形が変化し、嗅神経細胞が興奮して電気信号となって脳に伝わります。人の嗅上皮には約500万個~1000万個の細胞が存在し、400種類の臭覚受容体によりいろいろな匂いをかぎわけています。匂いに敏感といわれている犬は、臭細胞が約2億個、臭覚受容体が800~1200種類と言われており到底かないません。
犬は匂いに敏感といわれていますが、ネズミは約1200種類の臭覚受容体を持っています。犬は人の捜索や空港などでの違法品の検知に活躍しているので、その能力の高さを目にする機会はあります。また最近では トコジラミの検知にも活躍しているそうです。人が目視で検知できるのが30%であるのに対し、95%と驚異の検知能力です。

それに対しネズミが人の捜索や違法品の検知に活躍していることはないと思いますが、ネズミはイヌでも探知できない爆発物の匂いをかぎ取ることが可能で、アフリカオニネズミは地雷探査で活躍しています。匂いの感じ方は人によって千差万別です。海外にいって空港に降り立つとその国独特のにおいがあるとかないとか?海外の人には日本の空港は醤油のにおいがするとかしないとか?かなり以前パリに行ったとき、お土産を求めお店に入った時、あまりにも強い香水の匂いに即効出たことがりました。少なくとも私には耐えがたいによいでした。匂いは育った環境にも左右されます。あとで知ったのは、香水には動物性由来と植物由来があり、おそらくあれは動物性の香水に匂いではなかったのではと思いました。
万人が臭いと感じる匂いが糞尿のに匂いでしょう。この臭い匂いですが、最近シキボウのデオマジックという製品があることをしりました。いままではこの匂いを取り除こうとしていたのですが、これがなかなか至難の業。
この製品は、香水の作成と同じような発想で作られたとのことです。香水はいろいろな香料を掛け合わせて良い香りをつくります。このデオマジックも糞尿の匂いを一つの素材として取り入れ、結果的にココナッツの香りになるらいいのです。一度体験してみたいと思います。

匂いの分析としては、一つにはガスクロがあります。匂いはいろいろ匂いの混合された結果で、ガスクロでの分析はその匂いの個々の物質を測定しますので、その結果から実際の匂いとを関連づけるのは難しいでしょう。もう一つは匂いセンサーです。匂いの分子が酸化物半導体や有機物半導体に付着しその抵抗値が変化することにより測定するものや、脂質膜に匂い分子が付着し水晶振動子の共振周波数が変化することより測定します。ただ匂い成分濃度はppb~pptと非常に低濃度であるため、検出が難しいレベルであるため、犬やネズミのレベルには至りません。またセンサーの種類も少なく、今感じている匂いそのものを測定しているとは限りません。今後センサーの開発が進んでも、味覚同様個人差、育った環境などの影響もあると思いますので、これらの測定はやはりAIとのコンビネーションがカギになるのでしょう。
本来匂いを検知するのは、味覚同様に“危険”を検知することがもともとの機能ではなかったのではないかと思います。例えば食物を食べようとするときに、“これは大丈夫だろうかな”と思った場合、まず匂いを嗅ぎ大丈夫そうであれば口にする。次に味覚で大丈夫と感じ食べる。でも場合によっては匂いは大丈夫そうだったが、味覚でこれはだめということもあります。ただウィルスなどはわからなので、大変なことになることがままあります。花の香はリラックス効果がるといわれており、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを下げストレスを軽減してくれます。ストレスが多い現代社会で身を守るためには臭覚はやはり重要な機能ですね。
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